HANS
―闇のリフレイン―


夜想曲2 Kugel

3 君は誰だ?


彼らは途中で一度給油した以外は最短の道を最高速度で走り続けた。
対向車も少なく、渋滞のない田舎の道では限界を越えるスピードで飛ばした。それでも、ジョンが指定した時刻に到着するのはぎりぎりの計算だ。

そして、京都と奈良の県境付近まで来た時、リンダが護送車で駆け付けた。
「すごいじゃない。もう、こんなところまで来てたなんて……」
リンダの言葉を遮ってルドルフが言う。
「お世辞は結構! 早いとこ荷物を受け取ってくれ!」
「OK! 新幹線、臨時列車かもしれないってジョンが言ってたわ」
「臨時列車?」
「そう。修学旅行専用って奴。時々貸し切り特別列車として運行されているらしいの」
「貸し切りか」
助手席のハンスはまだまどろんでいた。

「今、ジョンが特定を急いでる。それとは別に外からの攻撃を企んでいる者の動きも掴んだの。たぶん、直に連絡が入ると思うけど……」
言いながら、リンダは男二人を護送車に入れると、自分は運転席に乗り込んだ。
「それじゃ、幸運を祈ってるわ」
「そっちもな」
二人はそれぞれの車に乗ると別々の方向へ走り出した。

駅に着く手前でハンスが目を覚まして言った。
「これ、預かっておいてくれない?」
それは拳銃だった。
「持って行かなくていいのか?」
ルドルフが訊く。
「必要ないよ、僕にはね。それに、新幹線の中でぶっ放す訳にも行かないでしょう?」
男がそれを受け取ると、ハンスは独りごとのように呟いた。
「弾丸は僕自身さ。あなたという銃から発射されて、狙った矛先に飛ぶ自由な弾丸……」
握り締めているのは二つのクーゲル。
「次は誰と踊ろうか」
ハンスは楽しそうだった。


駅は人で溢れていた。
彼らは改札を抜け、新幹線のホームへと急いだ。

「12番線に到着する列車は、13時29分発、修学旅行専用列車です。一般の方はご乗車できませんのでご注意ください」
ホームでは、そんなアナウンスが流れていた。
「あれか」
彼らはまだホームへ続く階段の上にいた。既に発車の合図のメロディーが鳴り始め、ドアは間もなく閉まろうとしていた。
「くそっ! 間に合わないか」
階段を駆け下りながら男が言う。
「大丈夫。僕が行く!」
そう言うとハンスは二十数段ある階段を一気に飛んで、閉まり掛けている新幹線のドアに強引に滑り込んだ。

――30分後に連絡する。どちらにせよ、ジョンがシステムに侵入し、名古屋で一旦、停車させる。そこで生徒達の安全を確保することができる筈だ

ルドルフは発車した列車を見送ると、すぐに踵を返し、次の作戦に移行した。


新幹線は静かにホームを離れ、滑らかに動き出した。ハンスはデッキに立ち止まり、窓を見つめて思案した。
「さて、どうするか?」
景色がゆっくりと動いて行く。揺れはほとんど感じなかった。ただ心地良いリズムが体内に伝わって来る。これが、単なる観光目的の旅行だったらどんなに素敵だろうと彼は思った。だが、これは旅行ではなく、重大な任務を帯びたミッションなのだ。

――爆弾はセットされた。もう誰にも止めることはできない

「ふう。爆弾か……。厄介だな。仕掛けられる場所なんていっぱいあるし、人もたくさんいる。万が一、爆発が起きたって、全員なんてとても救えない」
ハンスは、ぶつぶつと独り言を言いながら、狭いデッキの中を行ったり来たりした。その間にも列車はどんどんスピードを上げ、目的地へ近づいて行く。
「東京まで、2時間40分か」
彼は時計を見、それからゆっくりと動いて行く窓の景色を眺めた。
「取り合えず、車両の中を見るか」
ハンスは徐にドアを開け、足を踏み入れようとした。が、最後尾の席に座っていた若い男が立ち上がり、彼を止めた。

「申し訳ありません。ここから先は貸し切りになっています。関係者以外は入れません」
「貸し切り?」
「見回すと同じ制服を着た若者達がずらりと並んで席に着いている。
「ああ。修学旅行専用ってのでしたっけ?」
ハンスはふと思い出して確認するようにゆっくりと、その単語を発音した。
「ええ。ですから、うちの学校の生徒と職員以外の方は入れないんです」
「僕も関係者なんですけど……」
ハンスはそう食い下がってみた。

「お名前は?」
「バウアーです」
「いや、うちの学校にそのような関係者はおりません。何かのお間違いでは?」
頑固に拒否されて彼は考えた。
「変ですね。僕は確かにこの新幹線に乗るようにと言われて、来たんですけど……」
「ああ、もしかしたら藤ノ花高校の方ですか? ここは宮坂高校の生徒が乗っている車両ですよ」
男はそう言うと、自分でも納得したように付け足した。
「確かにこの新幹線には2校の生徒達が乗っていまして……。しかも制服が似ているので、時々間違えて紛れこむ生徒がいるくらいなんですよ」

男が微笑したので、ハンスも笑って愛想よく言った。
「そうなんですか。僕、発車ぎりぎりに飛び乗ったものですから、間違えちゃったみたいです」
「きっとそうですよ。藤ノ花高校でしたら、隣の9号車からです。デッキに出て向こう側の扉からお入り下さい」
「それはご親切にありがとうございます」
ハンスはそう言うといったんデッキに出てドアを閉めた。

「くそっ! 関係者以外立ち入り禁止だって。厄介だな」
彼は反対のドアから藤ノ花高校側へ入ると、通してもらえるかどうか試してみた。
しかし結果は同じだった。やはり、そこに立ちはだかった教師は頑として関係者以外の立ち入りを拒否した。見たところ、確かに生徒達が身に付けている制服は、ブレザーもネクタイの色も酷似していた。違いは胸に付けているバッチくらいである。

「うーん。困ったな。これじゃ埒が明かないぞ」
そうしている間にも時間はどんどん過ぎて行く。
「なるべく速やかに済ませちゃいたいんだけどな。正直に言って協力を仰ぐか。でも、生徒達をいたずらに怖がらせるのは可哀想だ。実際には仕掛けられていないってこともあるかもしれないし……」

その時、宮坂高校側の扉が開いて、男子生徒が一人出て来た。そして、洗面所に入った。
「そうだ。制服……」
ハンスはガラスに映った自分を見て微笑んだ。
「大丈夫。きっとうまく行く」
その生徒が出て来るとハンスは早速声を掛けた。
「すみません。君は宮坂高校の生徒さんですか?」
「あ、はい。そうですけど……」
いきなり金髪の外国人に話し掛けられて、生徒は一瞬たじろいたようだった。が、その言語が日本語だとわかるとほっとしたように返事をした。
「少し訊きたいことがあるのですけど……」
生徒はハンスよりも身長とウエストがありそうだった。が、彼は許容の範囲だと判断した。

「そのドアの右側の席に座っているのは先生ですか? できたら、その人の名前を教えてくれませんか?」
「ドアのって……ああ。若井先生のことですか?」
ハンスの質問に、生徒は何の疑いもなく答えた。
「ああ、若井先生というですか。ありがとう。実はさっき親切にしてもらったのでお礼をしたくて……」
彼はさり気なく言った。
「そうだったんですか」
「ええ。とても親切に……。それで、その若井先生は君のクラスの先生なんですか?」
ハンスは探るように訊いた。

「いえ、担任は白神先生です」
生徒が少し不信感を覚えたように見えたので、ハンスはさらににこやかに言葉を続けた。
「僕は藤ノ花高校の英語講師なんですが、宮坂高校はかなり優秀だと聞いています。生徒さんはどれくらいいるんですか?」
「えーと、うちの学年は671人です。全校ではおよそ2000人くらいですね」
彼が答えてくれたので、ハンスは続けて幾つかの質問をした。
「君は何年生?」
「2年です。受験の関係で修学旅行は2年生で行くので……」
「そうですか。じゃあ、クラスもたくさんあるんですか?」
「理系がA〜Hまでの8クラス、文系は1〜7の7クラス。合わせて15クラスです」

「それと、胸に付けてるバッチ、藤ノ花のとは違うみたいですけど、何なんですか?」
「ああ、校章ですよ。学校によって違うデザインになってるんです」
「へえ。校章か。教えてくれてありがとう。僕、まだ日本に来たばかりなもので、いろいろ知らないことが多くて……。早く日本に馴染みたいのでとても勉強になったです」
「そうなんですか」
生徒は外国人の役に立てたことがうれしそうだった。
「君にもぜひ、お礼がしたいので、名前とクラスを教えてくれますか?」
「F組の平河です。でも、お礼なんて要りませんから……」
「ふふ。そう言わないでもらってよ、平河君」
言うが早いかハンスは生徒の鳩尾に拳を当てた。
「ありがとう、平河君。感謝するよ」
ハンスはぐったりとして動かなくなった平河を抱えて洗面所へ入った。

彼はそこで、その生徒と自分の服を交換した。ネクタイを結び、ブレザーを羽織るとデッキに誰もいないのを確認してからそっと扉を開けた。洗面所の表示を使用中にするのも忘れなかった。
窓に映る彼の横顔。髪は肩より少し短く、黒髪は日本人のそれよりも濃かったが、濃紺の上着は彼によく似合っていた。

彼は呼吸を整えると、車両へ続く扉を開けた。
「あれ? 君、見掛けない顔だけど、うちの生徒?」
さきほどの教師が声を掛けた。
「いやだな。若井先生。僕、F組の平河ですよ」
「平河? でも……」
教師はどこか納得が行かなそうに目をこすった。
「すみません。早く戻らないと白神先生がうるさいので……」
ここでばれては厄介である。彼は早口でまくし立てた。
「あ、ああ。そうだね。早く戻って席に着きなさい」
「はい」
赤い目をしていた若井は寝不足なのか彼が通り過ぎると一つ欠伸をして目を閉じた。

ハンスはほっとして通路を歩いて行った。無論、両サイドには細かく目を配った。生徒達は旅行で疲れているのか、眠ったり、本を読んだりしている者が多く、ハンスが通り過ぎても気にする者はほとんどいなかった。2度教師に声を掛けられたが、うまくやり過ごした。
「ちょっと酔ったみたいで気分が悪いんです。9号車のトイレが塞がっていたので7号車の方へ行こうと思って……」
そう言えば簡単に通過を許してくれた。

「待ちなさい!」
4号車でまた、別の教師に止められた。
「さっきから、何をうろうろしている? 乗り物に乗車中はきちんと席に着いているようにと通達してあったろう?」
中年の女教師がきびきびと言った。
「すみません。ちょっと気分が悪くて……」
そう言い掛けると、それを制して彼女が言った。
「そもそも、あまり見掛けぬ顔だ。何処のクラスだ?」

「F組です」
「F? 厚井先生のところか?」
「いいえ。白神先生です」
「ああ。そうだったな。白神先生には許可をもらって来たのか?」
「はい」
ハンスが頷いたので、教師は彼を解放した。
「では、速やかに戻って席に着きなさい」
「はい」
ハンスは急いでそこを立ち去った。
(参ったな。あの女教師。カマを掛けて来やがった。学校ってのは案外面倒臭そうだ。用事は早く済ませなきゃ……)

しかし、幾つの車両を過ぎても爆発物らしい不審物は発見できず、特に怪しい人物も見当たらなかった。
「ほんとにこの新幹線なのかな?」
先頭車両まで来たが特に変わった様子もないようだ。
それでは、運転席の周辺、もしくは乗務員が怪しいかもしれないとは思ったが、まずは単純に視認できそうな部分から潰して行く。座席や人、網棚や手荷物。ただし、棚の荷物や鞄の中に仕込まれていてはお手上げだ。一つ一つ確認するのは至難の業だからだ。
「仕方がない。後ろの車両も確認してから考えよう」

ハンスは最初のデッキまで戻ると、校章を外してポケットに入れた。それから、念のため、平河の様子も確認する。まだ目を覚ましてはいない。
「ごめん。もう少し眠っていてね」
それから、反対車両の扉を開けて、藤ノ花高校の生徒に成り済ました。
「ちょっと待ちなさい。君! 校章は?」
「あれ? 変だなあ。さっきまで付いていたのに……。すみません。どっかに落としたみたいです」
そう言い訳したが、その教師は鋭い目をして言った。

「君はうちの生徒じゃないな? 見掛けない顔だ」
「僕、先月、この学校に来たばかりなんです」
が、次の瞬間、それは口にすべきではなかったと気がついた。男の表情が険しくなったからだ。
「先月、我が校に転校して来た者はいない。おまえは何者だ? 他校の生徒か?」
ハンスは素早くその教師の懐に飛び込むと、手刀を入れて黙らせた。
「先生?」
彼は男をそっと座席に座らせると苦笑するように呟いた。
「あれ? 眠っちゃった。随分お疲れのようだから、このまま寝かせて置いた方がいいみたい……」
幸い、その教師の隣の席には誰もいなかったので、彼は男を席に座らせてから、何喰わぬ顔をして通路を歩き始めた。
こちらも生徒達の様子はそう変わらなかった。

(あれ? 女の子だ)
宮坂高校は男子校だったが、藤ノ花高校は男女共学らしく、席は男子と女子が半々にまとまっていた。
ハンスはそれらを注意深く観察した。が、他に得るものはなかった。
(やれやれ。とんだくたびれもうけだったな)
彼は張り詰めた神経のせいでそこを往復しただけで疲労した。あとは各自の持ち物を検査してみる他はなかった。が、それはどうしても彼一人の力ではどうにもならない。協力者が必要だ。
(でも、どうやって実行しよう)
彼が途方に暮れていると、その耳に音楽が聞こえて来た。

彼はその前でぴたりと足を止めた。そこは女子の席だった。
「へえ。ショパンだ。ワルツの9番か」
思わずそう呟く。
「あ、ごめんなさい。音、漏れてました?」
その生徒が慌てて言った。耳にはイヤホンがはめられている。
「いえ。ただ、僕に聞こえただけです。でも、ピアニストが駄目ですね。曲を殺してしまっている」
「でも……。これってショパンコンクールで優勝したフリードリッヒ・バウメンの演奏なんですけど……」
「フリードリッヒ? 最悪だ。それは、実によくないです」

彼は、その生徒をじっと見つめて言った。
「でも……」
「僕なら、もっとうまく弾けますよ」
「えっ?」
彼女は何のことだかわからずに呆然としていた。外れ掛けたイヤホンからピアノの音が流れ出す。落ちたコードを慌てて拾い、声を掛けようとした時には、彼の姿はもう、どこにもなかった。
「ねえ、今の誰?」
隣の席の少女が訊いた。
「あんな美形の男の子、うちの学校にいたっけ?」

ハンスはそこからまたデッキに戻って次の作戦を考えた。
連絡はまだ来ない。彼はポケットに入れた端末に触れた。
「妙だな。どうしたんだろう? 連絡するって言ったのに……」
彼はそれを取り出すとこちらから発信してみた。
が、何度掛け直してみても繋がらなかった。圏外ですというアナウンスが繰り返されるだけである。
「電波の状態が悪いのかな? それにしても……」
ビュンッと風が震え、高速列車がすれ違う。

――繋がらない

耳に当てた電話から、過去の風が漏れて来る。


「繋がらない……」
そこはドイツにある軍の病院で、彼は寝かされたまま、少し歪んだ天井を見上げていた。

――腫瘍はリンパにまで及んでいました
――切除すれば神経を傷付け、腕に後遺症が残るかもしれない

それでも医者は手術を決行した。
(そうだ。あの医者は僕を殺した……!)
一度切れてしまった神経は決して繋がらないというのに……。

――リハビリを続ければ、日常生活に支障はない筈です
――ピアノもある程度なら弾けるようになりますよ

(ある程度ならだって……?)
そんな慰めは納得できなかった。
「僕はピアニストだ!」
彼にとって、そんな妥協は許し難い苦痛でしかなかった。

――命とどっちが大事だ?

男が訊いた。
「ピアノ!」
即座に彼は答えた。
「それができないのなら、死んだ方がましだ!」
本当でそう思った。
それでも医者は、あの男は、そして何よりも運命が彼に生きろと言った。
「何のために?」

――彼女にもう一度会いたいとは思わないか?

「彼女に……? 美樹に会わせてくれるの?」
しかし、その電話は通じなかった。
「どうして? どうして? どうして……」
何度掛けても、早い電子音が続き、やがて途切れ、無音になった。

「本当に会えるの?」
美樹は彼にとって唯一の理解者であり、特別な人だった。

――今はピアノより君が好き!

ベッドの中で絡み合う指。
熱い吐息の中で溺れそうになって掴んだ腕。
唇が彼の名前を呼んだ。

――愛してるわ。わたしの……

――ああ、なのに何故、繋がらないんだ。落ちて行く。闇の中へ……。


彼は携帯を握り締めたままじっと窓の外を見つめていた。
「風が……」
隔離された筈の空間に過去が混じり込んで来る。

(能力者がいる……!)
そう確信した。
その時、車両の扉が開いて男が一人出て来た。黒いスーツ姿。生徒ではない。それは宮坂高校の教師だった。
「ん? どうした? そんなところで……。君、具合でも悪いのか?」
「いいえ。何でもありません」
ハンスはそう言うと静かに振り向いた。
二人の間を高速の風が吹き抜ける。

「えーと、あなたは確か2両目に乗っていた……」
「結城だ」
「ああ。そうでしたね。結城先生」
そう答えて微笑する彼の年齢はまるで見当がつかなかった。子どものようでもあり、大人のようでもある。が、今こうして制服を着ていると、やはり高校生なのかとも思えた。が、結城は彼に疑いの目を向けていた。
「君は誰だ?」
少なくとも宮坂高校の生徒ではない。そう確信を持って訊いた。

「僕、平河ですよ。忘れちゃったですか?」
「違うな。平河ならよく知っている」
「へえ。じゃあ、あなたが知っている平河と僕とは違う平河ってことになりますね」
「うちの学年に平河という名字の生徒は一人しかいない。君はいったい誰なんだ? 藤ノ花の生徒なのか?」
「藤ノ花ね。ふふ。あっちはいいですよ。女の子もいるし……」
少しずつ距離を詰めて来る結城から離れるように彼は洗面所の前に立った。

「結城先生もトイレに入りますか? でも、今は二つとも使用中みたいですけど……」
「それは、君もそこには逃げ込めないということじゃないのかな?」
「逃げ込む? この僕が? まさか」
彼はくすくすと笑う。その足元をさっと風がすり抜ける。
薄い金属の壁を隔て、内と外では違う速度の風が吹いている。
そして、車両と車両の間にあるこの小さな空間においても、彼らの持つ闇の記憶を従えたガイストの風が吹き荒れようとしていた。